いけないとわかっているけど、大人の目を盗んでこっそり何かやりたくなる…こどもの自然な心理です。こどもだけじゃなくて、大人も人間みんな…かな。
家から、こっそりおもちゃを持ってくる年長S。基本的に家の物持ってくるのはだめです。あくまで基本的には。小さなパチンコ?のようなおもちゃをこっそり持って隠しながらやっていました。全部ばれています(笑)。「しまっておいてね」と伝えてももちろん素直にしまうわけはなく…。私から目を離さずすきあらばズボンのポケットにしまおうとするSくん。
しばらくすると、年中Kくんが「これだれの?」と、片付けの最中に誰かの家のおもちゃを発見。すると今度は年長Tが「Tの…」。保育者が「なんでここにあるの?」と、聞くと「お茶会の時持ってきた」と、どうやらすっかり忘れていたようでした。「大事なおもちゃ、チューリップに持ってきたら皆が使うものになっちゃうよ。大切にお家に持って帰ってね」と、伝えると真剣な顔で聞いて、リュックにしまっていました。
すると、、、年長Tが「これ、、、」と年長Sのパチンコのおもちゃを持ってきました。「Sの…」と困ったように保育者に渡しました。S君が貸してくれた?ようです。その後丁度年長SとTが二人でいたので、「これね、Tが、Sの…ってなっちゃんに持ってきたよ。Tくんは、家のおもちゃ大切にしなきゃってわかったからなっちゃんに持ってきたと思うよ。Sはどうするのか自分で考えてね。」と、S君に渡しました。ハッとした様子でリュックにしまっていました。
Sくんはもちろん、Tくんと保育者のやり取りを見ています(全員見ていました)。客観的にやり取りをみて、Tくんの行動を保育者から聞き気づくSくん。実際に保育者とのやりとりを通して気づくTくん。どちらがすごいではなく、どちらも気づけて行動したことが変化であり、成長だな…と、感じた出来事でした。
「家のおもちゃは持ってきてはいけない事になっています。約束を守れないのなら…」と、抑制したり、取り上げるなんていう罰?を与えてしまうのは簡単です。でも、それを大人とのやり取り、友だちの姿、出来事を通して心で感じて気づいて…というなかで学ぶ事がどれだけ心に響くのか、経験を通さないと感じられない事だなと、こどもたちが教えてくれました。
(なつこ)